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『世界史・驚きの真相』ヒトラーが自殺せずに南米に逃れた? [読書(ルポ)]

世界史・驚きの真相―謎とロマンに溢れる迷宮を行く

世界史・驚きの真相―謎とロマンに溢れる迷宮を行く

  • 作者: 桐生 操
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 文庫

ちょっと前にかってあった本ですが、驚きというより、少し前に話題になった「ダヴィンチ・コード」のテーマ「聖杯伝説」も載っています。

この手の話は、マユツバでありますが、どこか真実を含んでいる気もするし、政府がらみの話になると、掲載の話はともかく、なにかと事実を違う角度から見せようとしますので、ありえない話ではないですよね。

本をアマゾンで見ていただいたら、「中身を検索」をクリックすると、目次が見られておもしろいので、見てみてください。

おもしろかったのは、タイトルにも書いたヒトラー自殺フェイク生きてドイツを脱出して、南米のチリかアルゼンチンでドイツ人の若者を作り、生存していた、という話。

落合信彦さんが『20世紀最後の真実―いまも戦いつづけるナチスの残党 (集英社文庫)』のなかで、自分自身が南米に赴いて、チリの首都サンチャゴ市から350km南、パレルという街の、そのまたさらにジャングルの中に、厳重に警備された地域をみつけ、建物の写真を撮ろうとしたらフィルムを抜かれて、チリ警察が介入してくれて命を救われた、という逸話が残っているそうです。

冒険小説家トリスタン・ジョーンズも『The Incredible Voyage (Large Print)
(驚異の航海)』で、ボリビアの奥地にヨットクラブがあり、鉄条網にシェパードをつれた警備も巡回し、そこにいたのは全員ドイツ系住民だった、とか。

落合信彦さんのこの本は、いわゆるトンデモ本の代表としてよく扱われますし、ちょっとハードボイルド小説風な話ですよね。

私がこの話しが根も葉もない、ということもないだろうと思うのは、まったく別の織田信長最期を主題にしたドラマからです。

(『信長の棺』を書いた)加藤広作『明智左馬助の恋』がドラマ化されたときのテーマで、

信長は危険への対処(今風でいうとリスクヘッジ)してあったので、

だから、少ない人数(部下を供回りといいます)で本能寺に泊まっていた。

襲われたときも、あらかじめ準備してあった脱出経路から抜け出した。
誰かが先に手を回していたので、失敗して、脱出途中自害した?

という話があります。

そう、権力者は、本当にいさぎよく、自分で自分の命を縮めるようなことをするでしょうか?

戦国時代に武田信玄に屈し、自害した諏訪頼重のような例もありますが、それは諏訪家の再興恃んでのことです。

そのくらい、自分かその子孫が生きる信念がなければ、生きる力にあふれる権力者は自分で命を縮めたりしないのではないかと思うのです。

これが作家や芸術家であれば、作品という自分の子孫を残しているので、思い残すところ無く潔く?自殺、ということも、あるかと思うのですが。

ヒトラーが生きていた話を、簡単にふれておきます。

  • ヒトラーが自殺したという話は、二つのレポートにもとづきます。
    • ソ連の捜査
    • イギリスのロウパー大尉の捜査
  • ソ連が最初に捜査に乗り込んで、その後イギリスが調査に来ています。よく言われているのは
    • 結婚したばかりのエヴァと心中
    • ヒトラーは銃で自殺。エヴァは服毒自殺
    • ヒトラーの遺骸は
      • ガソリンをかけて運転手が火をつけた
      • 毛布にくるまれ、掘ってあった穴まで兵士が運んだ
    • 歯科助手が金のブリッジでつながれた義歯のあごの骨がヒトラーのものであると証言
    • 歯科技工士エイヒトマンも同じく証言
  • しかし、それに反して下記のようなことも伝えられています
    • ベルリンのどこにあったかもソ連は明らかにしていない。またエヴァの遺体が見つかっていないという証言もある。
    • ヒトラーの遺骸に弾痕がなかったので、ソ連は後から服毒自殺と訂正。しかし、青酸中毒者に必ず起こる、口びるの青くなる症状が見られなかった。
    • 遺骸については
      • 運転手は後から次のように言っている
        • 毛布からでている2本の足しか見ていない
        • 「自分のみを守ることで精一杯だったから、アメリカとイギリスの関係者が望むような証言をしたんだ
      • 兵士を含め、誰も実際に見たと証言したものがいない
    • 金ブリッジの義歯については
      • 遺体を高温で焼いたら金も溶けて無くなるから、確認できないはず
      • 歯科助手は直後にソ連の捕虜収容所に連行される
    • 歯科技工士も捕虜収容所に連行される
  • しかも、次のような話もあるのです
    • 戦争直後のポツダム会議で、ソ連のスターリンがはっきりアメリカのバーンズ国務長官に答えている
      • 「彼は死んでいない。スペインかアルゼンチンに脱出している。」
    • ふつう死体を地面(穴の中)で焼くと、骨と肉の一部が焼け残るが、骨が残っていない
    • カナダの法医学者ドリオン博士がヒトラー生前に口を開けた写真を調べ、相違点を指摘している
      • 歯と歯の隙間が異なっている
      • 歯根の処置や陶製の入れ歯も死体の写真に写っていない
      • 義歯の処置も大きく異なっている
    • アメリカCICが、二つのレポートの後の1945年7月に調べたところでは
      • 穴には焼却した痕跡がまったくない
      • ヒトラー夫妻が倒れていたソファには血痕があったが
        • 血液型が一致しない
        • ピストルの弾痕がどこにもない
  • ヒトラーがそっくり身代わりを殺し、自分が脱出したという説は
    • もともと3人の影武者がいて、簡単な演説もしていた
    • 自殺前のヒトラーは別人のように目がくぼみ、白髪、両手はがたがた震え、ふらふらして立っているのがやっと、言葉らしいことばを発せず、一人一人握手した
    • 自殺から45分後、近くの空港で、飛行機給油中に、ヒトラーを、乗っていた通信兵が目の前で見た
    • 未確認情報だが、アメリカ国務省の公文書第418号(1948年7月2日付け)にヒトラー逃亡作成の情報がある




この後、アルゼンチンにどうやってたどり着いたかも書かれています。
信じられない、といのもあり、今となっては、とにかくおもしろ話です。

それでも、繰り返しになってしまいますが、わたしは権力者はその権力が社会的に奪われない限り、または子孫に受け継がれる限り、自殺はしないと思っています。


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「イチロー日本人の誇りを胸に」プレッシャーと向き合う [読書(ルポ)]

「イチロー日本人の誇りを胸に」(石田雄太・文芸春秋3月号)には等身大のイチローがありました。
〔きっかけ〕
他の記事を読みたくて購入した文芸春秋3月号でしたが、松井ファンで、イチローの記録の瞬間も見れたので、まっさきに読みました。
〔内容・メッセージ〕
・メジャーで相手との差はわずか。次に起こるかもしれない怖さをしったら、満足感に浸ってられない
・楽しい気持ちでやっているうちは、おもしろさが味わえない
・克服する方法はない、と割り切ってから、プレッシャーと正面から向き合えた
・記録を超えてきた気持ちよさの積み重ねから、去年諦めない自分でいられた
・自分へのマイナスの風を受け入れられるか。強がっているうちは、人より上に行くことは無理

・(で、いつ緩めるかというと)どうせ一瞬だし、誰よりもたくさんのヒットを打ったこんなときこそ、調子に乗りたい。いまさら浮足だちはしないから。

・松井秀喜選手は影響力があるんだから、軽い気持ちで語らず、もっとプレーでガツガツ、ホームランもガンガン打って
〔感想〕
10年前と違って笑っていない自分が快感、とはなかなかいえないです。「仕事は楽しく」なんて前向きなようで、あまえているんだなぁ。プレッシャーを楽しむわけでもなく、真正面からとにかく乗り越える、それがおもしろい、とそういえるよう、逃げずにやりますか。世界新記録を打った後のイチローの嬉しそうな顔は忘れられません。あんな笑顔ができるように。

ピリッとした気持ちになりました。でも、松井秀喜は大好きです。


「宮﨑勤事件」原因は環境?本人? [読書(ルポ)]

宮崎勤事件―塗り潰されたシナリオ (新潮文庫)

宮崎勤事件―塗り潰されたシナリオ (新潮文庫)

  • 作者: 一橋 文哉
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 文庫


〔きっかけ〕
少女性的虐待、子供が子供を殺す、親が幼児を虐待する、と”おぞましい”事件はもう日常茶飯事になってしまったような気がします。
江原啓之の「子どもが危ない!」の内容の具体的な実例として、「宮﨑勤事件(一橋文哉・新潮文庫)」の原因は環境か、本人かという視点で、加害者は、どうして未熟のまま大人になり、どのように未熟だったかを読み解くことに挑んでみました。

〔内容〕
 加害者は、子どものころから家庭内が不和だった。工場のあとつぎになってほしいという、もっているものからは大きすぎる期待にこたえられず、両親を裏切った形になった。親や家族、そして親類縁者から”厄介者”として見られ、そのうえ、心のよりどころだった祖父が他界、世話してくれていた従業員もクビになり、「ひとりぼっち」になった。その反動で、純粋で、神秘的で、それでいて彼を優しく包んでくれる「人間の美しさ」をもとめた。

 しかし、学校や企業、ビデオ仲間でさえ一定のルールがあり、従えないものは排除される運命にあり、耐えられなかった彼は、「理想の人間の美しさをもたない」人間社会に絶望する。けれど、モノ(ビデオ収集)ではまぎらわすことができず、結局魂の救済をやはり人間に求めた。

 自己顕示欲が強すぎて仲間から嫌われる。手のひらを上に向けられない障害が原因になった劣等感から、大人の女性には近づけない。なかなか魂は救済されなかった。辿り着いた理想郷は、明るくあどけない幼女の世界であり、それこそが「人間の真の美」である、と彼は確信した。

 さらに、事件のただ中に送られたメッセージが、アルファベットに分解して組みなおすと加害者の名前になることを指摘、逮捕された後も加害者は自作自演のドラマの主役でいるのでは、と著者は分析しています。

〔コメント〕
未熟な人間は”バカ”の一言でかたづけられ、一歩つっこんだ本はみつけにくいのです。
この本は、加害者にも被害者にも肩入れすることなく、調べた事実をわかりやすく並べています。

 まず私の分析です。加害者のうまれも育ちも、闇のほうに向かってしまった環境の不遇に驚きました。生まれたとき、遺伝や家系で、悪い性質を受け継ぐこともあるようです。幼少期も、心の冷たい両親が世間体を気にして、モノや飼い犬のようにいう事を聞けばほめると、いった悪条件の中で育っています。無条件に包んでくれる両親がいないのは、リストラて漠然とおぼえる「生きる」不安と似ていると思います。さらに、思春期から大人になるころには、長男に生まれると特にですが、家とか、多くのものをしょっていて、両親への愛情に飢えているほど、なかなか捨てられないので、プレッシャーが大きいのです。

 けれど、けっして環境のせいだけにしてはいけないのです。闇のような環境におかれて、なお犯罪に走るのではなく、まっとうに生きている人のほうがはるかに多いではありませんか。

 では、自分が、わが子がゆがんで育ってしまった場合、または少しでもその芽が出てしまった場合、どうしたらいいのでしょう。

 もっている能力以上に、親が経済力・知力・体力・名誉などを期待をしたとき、大好きな親の期待に応えられず、こどもは疲れていきます。そのままにしておくと、疲れたまま大人になります。それに気づいたら、まず一度心を癒し、気合を入れて、たてなおして、それからもう一度今を生きるに必要な現実(経済力・知力・体力など)に挑戦したらいいと思うのです。

心がけなければいけないのは、目に見えない心や魂を癒す時、立て直すとき、
=>目に見えない世界でがんばる
×=>現実を見ない世界でがんばる
×=>妄想の世界に入り込んでいく
とならないように気をつけることでしょうか。なにも現実を改善できないからです。

まず現実を肯定する、認める、受け入れる勇気をもつことが第一歩です。経験上、これがとてもつらい。疲れた顔を鏡でみたくなくて、まともに見ないのと同じです。日本の道家の大家である早島正雄という方は、自分の思いに執着して見る、我執が人生をつまらなくする、といっています。

応援する周囲は、それをポジティブな言葉で促してあげることが力になるのでしょう。

うーん、この手の話は、長くなるなー。


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