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自律的な人ほど言葉をマスターする [読書(エッセイ・コラム)]

(『草柳大蔵_きれいな敬語羞かしい敬語』(草柳大蔵著)より)

草柳氏は、「「敬語」なんて知らなくても別に生活に支障がないからいいでは
ないか」という若者に、そうじゃないんだと、世界の中で思考力も感性もない
弱い存在になってしまうんだという、情報工学の専門家、西垣氏の言葉を借り
て、言っています。



コンピュータ関係の言語世界は、よく言えば口語的、悪く言えば、幼稚で、古典的な言葉の教養を踏まえることのない世界なんです。」

古典的なものの中に息づいている日本語の様々な財産失ってグローバリゼーションの潮流の中にほうり出されたとき、我々は、思考力も感性もない、全く弱い存在になってしまうのではないか」
(文化庁発表『情報化時代の言語能力』情報工学専門 西垣通氏)


そして、外国語を学ぶ心構えや日々の行動と、敬語を学ぶ・話すことは、同じ
だと。



「ドイツ在住の日本女性が言うには、(中略)若い学生が留学してくるが、三年もすると綺麗なドイツ語を文法どおり話す(中略)、十人が十人とも、見事な日本語で話す、とのことである。」「その逆も真で、悪い癖のついたドイツ語を話す日本人は、日本語をしゃべらせてみると日本語も癖だらけで聞き苦しい、とも言った。」

「どうやら母国語がしっかりしていたほうが外国語が身につきやすいというのは正しいらしく」
「(英会話の先生である松本道弘氏も)日本人の英語能力の不足、たとえば会話ができないというのは、英語が流暢に話せるかどうかという以前に、日本語で的確に話せないことが原因している。そこから鍛え直さなければならない」とも言っている。」

日常使っている共通語を正確語序どおり話せる人が「敬語」を楽々と話す

のである。」



外国語も、敬語も、そして、仕事も、自分を律する意識の確かな人にできることであるという見解です。



仕事の段取りがきちんとしている人は、敬語も英語もうまい、といえる。」

自分を律する美意識の確かな人が言葉を自家薬籠中のものにしてしまうということである。」



本には書かれていないのですが、これらは才能ではなく、つまり、敬語の意味を考え、学ぼうと、使う努力をする志こそが、仕事の段取り・敬語・外国語、どれを学ぶことをとっても、大切なのだと訴えていると、私は思いました。

この記事のトラックバックURL:(手動)…(^_^;)
http://sailmiho.exblog.jp/m2007-03-01/#5701046
Autonomic person by Miho


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Miho

研航さん、こんにちは。
はじめまして、Mihoと申します。
私は芸術大学に通う3年生なのですが、時間を作って英語を勉強しています。専攻は日本画です。
たまたま英語関連の記事を探していたらこのブログを見つけたんですが、
”意味を考え、学ぼうと、使う努力をする志”が大切なのだというお考え、
とても興味深いです。
英語と日本語を使いこなすには、単純にそれを使いこなす脳の基盤・仕組みがしっかりしているかどうかが問題だと考えていた私にとっては、志という視点で捉えてらっしゃることが新鮮に感じました。
そして、それは私の専攻にも繋がるのではないかとも思います。
よく高校時代の恩師に言われていた言葉なんですが、「古典を知ることが絵画を知ることだ」ということ、それは研航さんの仰る「意味を考え、学ぼうと、使う努力をする志」が大切だということだと私は思います。
本当に、物事全てに通じるのでしょうね。

記事が大変興味深かったのでトラックバックを試みたのですが上手くできたかどうか・・・少し心配です。記事へのリンクもさせていただきました!
また何度かおじゃましたいと思います(^^)
失礼いたします。
by Miho (2007-03-12 09:32) 

研航

Mihoさん、お返事が遅くなりました。
研航と申します。初めまして。コメント、また、ブログにご紹介までいただき、ありがとうございます。拝見させていただきました。

英語でブログ書かれて、もうそれだけで、尊敬します。
しかも、主張を入れられているのは、すごい!

トラックバックは、残念ながらはれていませんでした。
こちらの設定が少々きついので、ごめんなさい。
もしおいやでなければ、もう一度トライしてみてください。

「志」とは、よくなったという結果ではないので、「甘い(厳しさのない)」言葉でもあります。だから、相手には見せずに、間違ってもアピールしたりせず、それでいて自分の中では、常に保っていたいと思っております。

まだお伝えしたいこともありますが、コメントのレスで長くなってもしっくりこないので、今後の記事の中で、草柳大蔵さんの本の内容のご紹介をとおして、語って生きたいと思います。
たとえば、外国語における敬語のことを書かれていて、それに関しての記事は掲載やめようかと思っていたんですが、多少お役に立つのではと、UPすることにしました。週末にあげますので、よろしければ、ご参考ください。
by 研航 (2007-03-15 17:13) 

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