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荘厳なヨーロッパの響き・ピアニスト原田英代さん [エレクトロニクス(ホームシアター)]

プレイズ・ショパン&スクリャービン/原田英代

原田英代さんは、音楽に長年たずさわってきて、ピアノだけはおもしろみを感じなかった私に、ピアノのすばらしさを教えてくれました。

 ピアノは打楽器でもあり、太鼓の面白さがあること

 ピアノを意識させない音色が出せること

 オーケストラにも、裏方(伴奏)にもなれること

 言葉が話せる(ような表現ができる)こと

 周りに妖精が飛んでいるような世界がつくれること

ヨーロッパ、とくに活動の基盤としているドイツでは、大変評価の高い
ピアニストです。

特に、シューベルトという、メジャーだけどマイナー(?)な作曲家
の演奏への理解が大変深く、また、その演奏が周囲のプロの演奏家から
一目置かれています。


中学の音楽教科書に、私が声楽(当時はコーラス)をはじめようと思った
きっかけになった、シューベルト「魔王」がありました。

父の駆る馬上で、病気になった子供は、死の迫ることを

 「魔王がくるよ!」

と訴えますが、魔王の声が聞こえない父は、風の音だと言い聞かせます。

魔王はその間も子供に死の世界へいざなう言葉をささやき続け、子供は
恐怖に陥ります。

嵐の中をやっと家にたどり着いたとき、魔王はすでに子供を連れ去って
いました。


このドラマチックさを、ピアノという、高い音も低い音もいっぺんに
出せる、いつくかの楽器分の演奏ができるひとつの楽器を使って、存分に
味あわせてくれるのです。

シューベルトの曲は、ピアノも弦楽四重奏も情緒的な要素が強く、

  「勝手にぶつぶつ言ってろ」

と、演奏方法、というか、演出によっては、あきてしまうことが多い
のですが、原田英代さんはシューベルトの考えや生活にまで研究し、
それが曲の構成にどう影響しているか、まで考えつくして、劇場を音に
のせて聞かせてくれるのです。

原田英代さんの演奏する高度な技術や感性、それに音楽に対する誠実な
とりくみが加わり、結果的に、聞いている人の心にまでシューベルトの
気持ちを伝えてくれるので、とてもわかりやすい・聞きやすい演奏に仕
上がっています。

先に聞いた「菊池洋子」さんの瑞々しい演奏とは、同じピアノでもまた
違う、荘厳なヨーロッパの響きを届けてくれるのでした。

このCDは、そういう志をもつ原田英代さんがショパンとスクリャービン
に同じようにとりくまれたアルバムです。

ショパンもたぶんに情緒的な要素がありますが、そこを冷静に理解し、
弾きこなしています。

けれんみのない、甘くないけど柔らかな演奏を楽しめます。
ショパンの印象も変わりました。

原田英代さんのホームページに、国内外の批評が出ていますが、
ご自身で選ばれたものか、原田英代さんの取り組みをとてもよく表現
していると思いますので、ご紹介します。

http://www.d5.dion.ne.jp/~hideyo.h/criticism.htm

また、原田英代さんも、ドイツでも日本でも、酒風呂をたしなまれているようです。
生活パターンから想像するに、粉末酒風呂の「崑崙の湯」を使われているのではない でしょうか。


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