SSブログ

「陰陽師 竜笛ノ巻」博雅にはかなわない晴明 [読書(小説)]

「おれは鬼神を術で操るが、おまえは、自身そのままで鬼神を動かしてしまう」(「呼ぶ声の」より)

酒を酌みかわしながら、源博雅に見つめられて目をそらす、安倍晴明の一言。

(桜のはなびらが散るはかなさを思い、人生のはかなさを思い、はかないからこそ、お前にあえて
よかった、と、博雅に言われて)

----------------------------------------------------------------
「断じて行えば鬼神も之(これ)を避く」《「史記」李斯伝から》
----------------------------------------------------------------

ということわざがあります。(Yahoo!辞書:大辞泉より)

「断固とした態度で行えば、鬼神でさえその勢いに気(け)おされて避けて行く。

決心して断行すれば、どんな困難なことも必ず成功することのたとえ」

なんのためらうこともなく、まっすぐになにかをしようとすれば、術(テクニック)を超えた力が
出せるということでしょう。

映画「ファインディング・ニモ」に出てくる、ドリーを思い出しました。

さっき会って一緒に泳いでいると、「あなた誰?ついてこないで」というくらい物忘れがひどい!

けど純真でまっすぐ、思いやりのある行動で、いわしの群れに道を尋ねたり、くじらに頼んだり
して、息子ニモをさらわれたマーリンを助けて(?)、一緒に探します。

博雅もドリーも、世渡り上手とはまったく反対です。
(この二人をならべるのは、どうかとは思うけど)

私自身も、生きる術(すべ)を学びつつ、いざという時は、心から断じて行えたら、より大きな
ことが達成できるような気がします。

その他の4編では、自分で仕込んだにもかかわらず、育てた娘の心の美しさそのままの、
”式神”形の美しさに、”悪役”芦屋道満が引き取れなかった「むしめづる姫」が心あらわれました。

陰陽師 龍笛ノ巻

陰陽師 龍笛ノ巻

  • 作者: 夢枕 獏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 文庫


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。