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「ダ・ヴィンチ・コード」女性への賛歌 [読書(小説)]

ダ・ヴィンチ・コード(上)

ダ・ヴィンチ・コード(上)

  • 作者: ダン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: 文庫


ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版

ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版

  • 作者: ダン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/09/01
  • メディア: 単行本


「ダ・ヴィンチ・コード」 (ダン・ブラウン著 ・ 越前敏弥訳角川文庫)
映画公開前の宣伝が、 どこに行っても目に入って、 勢いに押されてついつい読みました。

テンポのいい探求・冒険ものですが、女性を讃える物語でもあります。

今は女性が強くなっている時代です。けれどこの小説では、女性の「強さ」を讃えるの
ではなく、男にとって、女性が大切な存在であることを思い起こして、
 「女あっての男、おとこあってのおんな」
を再認識させてくれます。

私は詳しくはありませんが、キリスト教関係で「聖杯」の伝説があって、それを題材に
した本や映画もたくさんあります。
たとえば有名なスピルバーグ監督の映画人気シリーズ
 「インディージョーンズ 最後の聖戦」
は、イエスが最後の晩餐で使った「聖杯(さかずき)」を探す物語です。

この本では、「聖杯」伝説は、女性という存在を大切にする考え方だ、としています。

そして、それを脈々と数百年間受け継ぐ団体があり、レオナルド・ダ・ヴィンチは、
ある時期その総長をしていたとされていて、タイトルどおり、ダ・ヴィンチの有名な絵や
発明が、小説のもうひとつの面白さを作っています。

なぜ、女性を大切な、聖なる存在と考えるのでしょうか。

この本にちりばめられたヒントとして、一部を引用すれば、

「子宮から命を生み落とすその能力ゆえに、女性は神聖視された。まさに神だ。」

「古代には、男性は精神的に未完成であり、聖なる女性との交接によって
はじめて完全な存在になると信じられていた」

複雑な現代では、女性がその柔軟性ゆえに、社会の大切な要職に求められています。
思えばその柔軟性も、1年近くも命をおなかにだいて、子供を育てる「母性」と大いに
関係があるのではないでしょうか。理屈では子供なんか作れない、育てられないです。

なぜ「はじめて完全な存在になるか」??
このブログを読まれた方の楽しみをへらさないために、ここでは書きませんので、
小説を楽しみにしてください。

主人公、ハーヴァード大 宗教象徴学 ラングドン教授の説明がとても気に入りました。
ここは、もう一人の主人公、フランス司法警察ソフィーの、10年間の祖父との
心のわだかまりを救う、小説上も大切なくだりです。

もうすぐ公開される映画で、このような背景となる文化の説明をどう扱うか、楽しみです。


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コメント 1

kenta-ok

私もダ・ヴィンチ・コードを載せています。本は読みましたが、まだ映画は見ていません。http://blog.so-net.ne.jp/kent a-ok/2006-05-21
by kenta-ok (2006-05-21 21:11) 

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